「そろそろ会社にも新しい業務システムを入れよう」

そう考えたとき、最初に何をするでしょうか。

インターネットで業務ソフトを検索する。

料金を見る。

機能を比較する。

無料体験を使ってみる。

 

もちろん、最終的には必要なことです。

しかし、中小企業のIT導入を考えるとき、その前に一度やっておきたいことがあります。

それは、

**今の仕事がどうやって回っているのかを、改めて見直してみることです。**

 

毎日やっている仕事ほど、疑問に思わなくなる

会社の仕事には、

「昔からこのExcelに入力している」

「この書類は毎月作るもの」

「この数字は担当者が確認するもの」

「ここに保存してから、別の人へ送る」

「業務規程上の記載」

といった作業がたくさんあります。

 

毎日、毎月繰り返していると、それが普通になります。

 

少しくらい面倒でも、慣れてしまえば仕事としてできてしまいます。

ところが改めて一つずつ見てみると、

 

**「この情報、何のために入力しているんだろう?」**

**「同じ数字を別のところにも入力していない?」**

**「この資料、最後に誰が使っているんだろう?」**

**「そもそも、これは今も必要?」**

という仕事が見つかることがあります。

 

問題なく仕事が回っているように見えても、

実は「人が慣れているから回っているだけ」という状況があります。

 

情報には「入れる場所」と「使う場所」があります

例えば、社員が毎日の工数を入力しているとします。

その情報は何のために必要なのでしょうか。

 

給与計算に使う。

案件ごとの原価を確認する。

請求の根拠にする。

管理者が進捗を見る。

会計処理に利用する。

一つの情報でも、使い道はいくつもあります。

 

ところが、それぞれの目的ごとにExcelや業務ソフトを作っていくと、同じ情報を何度も入力することになります。

 

そこで一度、

**「どこへ入力しているか」ではなく、

   「この情報は最終的に何に使いたいのか」**

から考え直してみます。

 

すると、

「最初に一度入力すれば、他でも使えるのでは?」

「このExcelは、別の資料を作るためだけに存在しているのでは?」

「この集計作業そのものが不要になるのでは?」

といったことが見えてきます。

これにより保管情報自体の再認識と、

「必要な部分を理解することで、『何を管理すればよいのか』を目的から逆算できるようになります。」

 

「何を管理するか」自体も見直してみる

もう一つ見落としやすいのが、管理している情報そのものです。

昔は必要だった項目でも、現在はほとんど使っていない。

逆に、昔は必要なかったので記録していないけれど、今は管理した方がよい情報もあります。

 

会社の仕事は少しずつ変わります。

社員が増える。

取引先が増える。

案件が増える。

仕事の種類が増える。

ところが管理表や業務フローは、最初に作ったときのまま残っていることがあります。

 

先輩や上司に頼まれて それを、そのまま引き継いで 疑わずに、同じ形状でやり続けている書類仕事。

仕事は変わったのに、情報の管理方法だけが昔のままで

内心は「業務形状だから、このテンプレートで作成しているけど…」

実は個人的に分かり易いように別ファイルで、再作成してまとめている様な内容。

 

これも、仕事が少しずつ回りにくくなる原因であり工数や人手が増える原因になります。

 

「回らなくなった瞬間」は意外と分かりにくいし気が付かない

業務は、ある日突然止まるとは限りませんし、止めれません。

最初は一人で管理できていた。(当時は大した仕事ではない)

少し忙しくなったのでExcelを一つ増やした。

担当者が増えたので共有フォルダを作った。

別の業務ソフトも導入した。

確認する人を一人増やした。(既に1人では回らなくなった)

こうして、その都度対応出来ているので仕事は一応回り続けます。

 

だからこそ、どこから無理が始まったのか分かりにくくなります。

「忙しいから仕方ない」

「月末はこういうもの」

「このやり方でやってきた」

「この仕事は○○さんしか分からない」

そんな言葉が当たり前になってきたところで、

 

改めて先程の、

「この情報は最終的に何に使いたいのか?」

を問い直す事が必要なんだと、私は感じています。

 

見直すべきポイントが実際に沢山あった事を記憶しています。

同時に出来ない・やりにくい理由も浮かびます。

「上司に問いただしにくい」

「実際回っているのだから問題ない」(疑わない)

「データ移行はどうすべきなのか?」(考えにくい)

「実際何に使うのかも知らないし、何を聞けば良いのか分からない」

「誰がその書類の担当で明瞭な回答をする人か自体知らない」

 

これはその一例だと思いますが、言える事は1つあります。

「実は誰も上記の理由で業務見直しをしないし、疑わない・必要性に駆られていない」事。

もちろん、業務を見直す機会を作り、現場の人に改めて考えてもらえば、改善点は出てくると思いますが、

少なくとも日頃の業務で考えている事ではないと思います。

そしてそれが中小企業より大企業でもより多く起こり得ると言う事も言えると思います。

 

今の仕事を、そのままシステムにしてもいいのか?

ここで業務システム選びの話に戻ります。

現在10個の作業があるから、その10個すべてに対応できるシステムを探す。

一見すると正しいように思えます。

しかし、その10個の中に、

「本当はもう必要のない作業」

「別の情報から自動的に作れる作業」

「同じ内容を二重に入力している作業」

が含まれていたらどうでしょうか?

 

今の仕事をそのままシステムへ置き換えると、

**不要な仕事までIT化して残してしまう**

ことになります。

 

業務システムを導入する目的は、現在の作業をそのままコンピューターへ移すことではありません。

今やっている仕事を一度整理して、

**残す仕事**

**やめてもよい仕事**

**まとめられる仕事**

**つなげられる情報**

**システムに任せた方がよい仕事**

を分けることが先だと思います。

 

製品比較は、その後でも遅くありません

業務フローを整理すると、

「この部分なら今のExcelで十分」

「ここは既存の会計ソフトをそのまま使いたい」

「この二つだけ連携できればいい」

「この作業だけは自社独自なのでシステム化したい」

という形が見えてきます。これが本来の業務過程の再認識だと言えます。

ここまで分かってから業務システムを探せば、必要な機能もかなり明確になります。

 

逆に、最初から製品の機能一覧を見ていると、

「値段が安い」

「あれもできる」

「これも便利そう」

「将来使うかもしれない」

と、必要なものより「できること」を基準に選んでしまいがちです。

それ本当に必要な機能ですか?その機能自社の業務に本当に適応出来ますか?

**システムに仕事を合わせる前に、まず自分たちの仕事を見る。**

業務システムの選び方として、私たちはここを大切にしています。

 

IT導入の相談は「何を買えばいい?」からでなくても構いません

「業務システムを入れたいけれど、何を選べばいいか分からない」

「今の仕事のどこをシステム化すればいいのか分からない」

「昔から使っているExcelや業務ソフトがたくさんある」

「担当者しか分からない仕事が増えてきた」

こうした状態なら、製品を決める前の段階から考えることができます。

現在どんな情報を管理しているのか。

誰が入力して、誰が確認して、最終的に何に使っているのか。

そして、実際に現場でその作業をしている人に尋ねるべき事案です。

どこで転記・集計・確認が発生しているのか?どの様であればやり易く、回り易いのか?

そこを一度整理してみるだけでも、本来求めていたシステムの形が変わることがあります。

 

場合によっては、

**「新しいシステムを入れなくても、今のやり方を少し変えれば十分だった」**

という結論でも構わないと思います。

まず会社の仕事の実態を見る。

次に情報の流れ・処理方法を見る。

その後で、必要ならシステムを選ぶ。

**製品を選ぶことからではなく、現在の仕事を一緒に見直すところからご相談いただけます。**

 

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関連記事 まとめ

□Excelでの業務管理、そろそろ限界?

□業務ソフトを入れたのに、なぜか仕事が楽にならないのは。。。?

□業務システムを選ぶ前に、今の仕事を一度見直してみませんか?

□自社専用の業務システムは、本当に高いのでしょうか?

□全部システム化しなくていい。残す・つなぐ・作るという考え方