「自社専用のシステムを作る」
そう聞くと、最初に気になるのはやはり費用だと思います。
数十万円、内容によっては100万円、200万円、それ以上。
月額数千円、数万円で利用できる業務ソフトと比較すれば、当然高く見えます。
私たちも、自社専用システムなら何でも安くなるとは考えていません。
市販の業務ソフトで十分なら、それを使った方が安く、早く導入できます。
では、なぜ自社専用の業務システムを作るという選択肢があるのでしょうか?
ここで一度考えてみたいのが、
「システムそのものの価格」と「現在の仕事を続けるためにかかっている費用」は別のもの
ということです。
月額料金だけでは見えない「現実的なコスト」
例えばExcelを使って、
データを入力する。
別のExcelへ転記する。
数字を確認する。
月末に集計する。
会計ソフトへ入力する。
間違いがあれば元の資料まで戻って確認する。
こうした仕事をしているとします。
Excel自体は、既に導入されている環境なら追加費用をほとんど意識しないかもしれません。
そのため、
「今のやり方なら、お金はかかっていない」
ように見えます。
しかし、実際にはその作業をしている人の時間が使われています。
1日30分でも、1時間でも、それが毎日続きます。
さらに月末の集計や確認に数時間。
担当者だけで分からなければ、別の社員や管理者も確認する。
ソフト代として請求書が届かないだけで、実は人件費として会社は既に支払っています。
ここは業務システムの費用を考えるとき、意外と見落としやすい部分です。
200万円のシステムは高い?
例えば200万円の業務システムがあったとします。
200万円という金額だけを見れば、決して小さな投資ではありません。
一方、
月20万円の人件費でも年間では240万円です。
もちろん、システムを導入したからといって、その人の仕事がすべて不要になるわけではありません。
大切なのは、
その人が一年間行っている仕事のうち、どれだけが「人間でなければできない仕事」なのか
を考えることです。
転記。
集計。
定型的な計算。
同じ情報の再入力。
資料から資料への数字の移し替え。
決まった条件によるチェック。
こうした作業に毎月何十時間も使っているのであれば、その時間にも当然人件費が発生しています。
仮にシステムによって年間100万円分の作業時間を減らせるのであれば、200万円のシステムでも単純計算では約2年。
年間50万円なら約4年です。
逆に年間10万円程度しか削減できない仕事に200万円のシステムを作るのであれば、費用対効果を改めて考えた方がよいでしょう。
だから、
「自社システム自体は高いか、安いか」だけでは判断できない
のだと思います。
そして同時に情報処理には、確実にコストがかかっていると言えます。
人を減らすためではなく、人がやる仕事を変える
ここは誤解されやすいところです。
業務システムを導入する目的を「人員削減」だけで考える必要はありません。
例えば会計担当者なら、数字を右から左へ転記することより、
数字がおかしい理由を確認する。
経営状況を把握する。
請求漏れを確認する。
資金の動きを考える。
管理者へ必要な情報を伝える。
こうした仕事の方が、本来は人間が作業として時間を使う価値があります。
システムに任せられる作業をシステムへ渡して、人にしかできない判断へ時間を確保する。
これも業務システムによるコスト改善の一つです。
体験談としては通例では見えなかった、状況や数字が見えてくる、新たに見直せた場合もありました。
あなたの時間は、いくらでしょうか?
決して貴方の時給の話ではありません(汗)価値についての話です。
業務システムの費用を考えるときに見落としたくないのが、経営者や管理者自身の時間に対する貴重な価値です。
会計、給与、契約、請求、業務管理など、重要な仕事ほど「人には任せにくいから自分でやる」ということがよくあります。
しかし、その中には本当に本人でなければ判断できない仕事と、仕組みさえ整えれば他の人でもできる仕事が混ざっていることがあります。
入力方法を統一する。必要な情報を自動的に集める。権限を分ける。最後の承認だけ管理者が行う。
業務をこのように作り替えることで、今まで任せられなかった仕事を、他の人へ任せられる仕事に変えられる場合があります。
そこで一度考えてみてください。
あなたの1時間を、本当は何に使いたいでしょうか?
そして、その1時間を毎月の転記や集計、書類確認に使うことと、
本来あなたが進めるべき営業、経営判断、顧客対応、新しい事業や本業に使うこと。
会社にとって、どちらの1時間に大きな価値があるでしょうか?
業務システムによって生まれる価値は、単純に「作業時間を何時間削減できたか」だけではありません。
やらざるを得なかった仕事から時間を取り戻し、
本来やるべき仕事へ戻せること。
その時間の価値も、システム導入費用と一緒に考えてみてほしいと思います。
市販ソフトが安いのには理由があります
市販されている業務ソフトは、多くの会社が利用できるように作られています。
これは大きなメリットです。
一社だけで開発費を負担する必要がないため、非常に多くの機能を比較的安い料金で利用できます。
その会社の業務と合っているのであれば、とても合理的な選択です。
ただし、多くの会社で使えるように作られているということは、
自社にとって最良の構成で作られているわけではない
ということでもあります。そして売りやすいのは、ベンダー側(制作会社)の利点です。
「この項目だけ欲しい」
「ここだけ自社独自の計算方法がある」
「この情報を生産側でも使いたい」
「営業で入力した内容を、そのまま商材管理へ使いたい」
「勤怠と工数と会計をつなぎたい」
「社内の情報をサイネージにも表示したい」
こうした要望が増えると、一つの汎用ソフトだけでは収まらなくなることがあります。
そこで別のソフトを追加する。
足りないところをExcelで補う。
さらに人がその間を転記する。
以前の記事で触れた、
**「ソフトで仕事が短縮された分、ソフト間の仕事が増える」**
状態です。
ソフトに会社を合わせるているのか?会社にソフトを合わせるのか?
既存の業務ソフトを導入する場合、ある程度はそのソフトの使い方に業務を合わせる必要があります。
それ自体が悪いわけではありません。
むしろ、一般的な業務であれば、よくできた市販ソフトの流れに合わせた方が効率的なこともあります。
しかし、会社にはそれぞれ違いがあります。
何を作っているのか?
どうやって営業しているのか?
どの単位で原価を見るのか?
誰がどの情報を必要としているのか?
どこまで管理したいのか?
何を他社との差別化にしているのか?
こうした部分まで市販ソフトに合わせて変更してしまうと、
今度は会社の特徴をソフト側へ合わせることにもなります。
業務システムは単に会計処理をするだけのものではありません。
生産管理、営業管理、商材管理、人員管理、工数管理、在庫管理、社内情報、サイネージなど、
会社の情報はさまざまなところにつながっています。これが現実の経営実態です。
逆に聞きますが、何故
ソフトに会社が合わせる必要があるのですか?
みんなが その有名なソフトを使っているから?
広告で見たから?
便利だと書いてあるから?
使いそうな機能が付いているから?
これだと安いから?
なぜ そのソフトウェアを使っているのですか?
必要な情報を理解して適切に集めることができれば、業務システムは単なる「入力ソフト」ではなく、
会社の状態を把握し、仕事をコントロールするための道具にもなります。
しかし、必要な理解を得られなければ、あなたの会社の業務形状を知らない誰かが作った、
便利そうなソフトウェアに合わせて仕事を進めている事になりませんか?
自社専用だから、全部作る必要もありません
ここも重要です。
自社専用システムというと、
「会社の仕事を全部ゼロから巨大なシステムにする」
というイメージを持つかもしれません。
必ずしもそうする必要はありません。
会計ソフトは今のものを使う。
Excelで十分な管理は残す。
既存のクラウドサービスも利用する。
必要ならAPIやデータ出力を利用してつなぐ。
そして、
自社で本当に必要な部分だけを作る。
この方法もあります。
例えば会社全体で20の業務があるとして、既存ソフトで問題なく処理できている15の業務まで作り直す必要はありません。
残り5つの中でも、Excelで十分なものが2つあるなら、それも残せばいい。
本当に困っている3つだけを対象にする。
そうすれば、「自社専用システム=巨大で高額なシステム」とは限らなくなります。
システム費用を見る前に、今使っている「時間」を見てみる
業務システムの導入費用を考えるなら、まず現在の仕事を時間にしてみると分かりやすくなります。
例えば、
「この転記に毎日何分使っている?」
「月末集計に何時間かかっている?」
「数字が合わないとき、何人で確認している?」
「同じ情報を何回入力している?」
「年間で何時間になる?」
ここまで分かれば、おおよその人件費へ置き換えることができます。
計算式は非常に簡単です。
仮に社内工数を1時間2,000円(平均)として計算するなら
必要○○時間の工数 x 2,000円= ** 答え **
かかった時間に2を掛けて1,000倍するだけです。
もっと福利厚生費込みの平均単価の高い会社なら電卓をたたいてください。
当然それに関わった人全ての工数を合計して下さい。
そのうえで、
現在の方法を3年続けた場合の費用
と、
システムを導入して3年使った場合の費用
を比較する。
左記に述べていた、200万円を超えましたか?超えませんでしたか?
どれ位、今まで、その処理に費用を費やしていたのか分かりましたか?
初期費用だけを見るより、こちらの方が実際の経営判断に近くなります。
そして計算してみた結果、「今のままの方が安い」
のであれば、無理にシステムを作る必要はありません。
しかし、その費用が200万円を超えていた場合。
このまま「仕方のない業務」として、無かったことにしてよい金額でしょうか?
そして、その金額以上に考えてみてほしいのが、そこに使ってきた時間です。
本来なら、営業や経営判断、新しい仕事を進めるために使えたかもしれない時間を、これからも同じ業務で塗りつぶしていく。
貴方のその時間と費用は、本当に安いものでしょうか?
必要な量だけ作る、という考え方
私たちは、自社専用システムだから何でも作ればよいとは考えていません。
まず現在の仕事を見る。
どんな情報を管理しているのかを見る。
人がどこで時間を使っているのかを見る。
既存のExcelや業務ソフトで十分なところは残す。
連携すれば済むところはつなぐ。
そして、本当に必要なところだけ作る。
会社にとって必要な量だけ、的確なシステムを作る。
その結果、市販ソフトをそのまま利用する方がよければ、それも一つの答えです。
逆に、毎年人件費を使って同じ転記・集計・確認を続けているのであれば、一度システム化した方が安くなることもあります。
「自社専用システムは高そうだから」と最初から選択肢から外すのではなく、
今の仕事に年間いくら使っているのか。
そこから比較してみると、システムの値段の見え方も少し変わってくると思います。
「今の業務をシステム化すると、いくらくらいになる?」
「現在の人件費と比較して、本当に導入する意味がある?」
そんな段階からでも、業務内容を伺いながら一緒に考えることができます。
👆業務処理に必要だった人件費が分かったのでその費用をFP Systemに送る
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□業務ソフトを入れたのに、なぜか仕事が楽にならないのは。。。?
